10月28日(火)、第5回抄読会ではパトリシア・ベナーについての抄読会を行いました。ベナーは看護を「看護師と患者の相互尊重と純粋なケアリングが基盤」であり、前後関係や文脈から切り離して看護は理解できないことが話し合われました。また、「患者のために何かをする」より「患者とともにいる」ことに価値があることも述べており、臨床現場で患者のそばに行かない看護師の事例や児童思春期病棟において「そばにいること」の大切さが共有されました。またベナーは、看護師のインタビューや観察研究から新人~(一人前、中堅、熟達者)~達人の5段階のレベルを明らかにした人物でもあることが共有され、実践知(素朴で体験的、感覚的な知識(患者の表情から疲れを察知など))と臨床知(実践知と理論知識が融合した高次の知識)について話し合われました。さらに、教育においては、患者さんよりも記録を優先する学生の事例や学生時代に面接場面の詳細を言語化した経験の重要性が共有された。さいごに、ソーシャルワークの理論と看護理論に類似点が多いことが指摘され、アプローチ方法は異なるが本質は同じなのではないかという指摘もなされました。
