9月30日(火)第4回は、看護理論家ジョイス・トラベルビーの人間対人間の看護についての抄読会を行いました。トラベルビーは看護を「対人的プロセスであり、病気や苦悩の体験を予防したり対処するのを援助すること、そして必要ならその体験に意味を見出せるよう助けること」と述べており、看護師は確かな知識と治療的自己活用を求めていることがわかりました。治療的自己活用では、マインドフルネスを例に、自らを洞察し自己理解が深まっている人ほど、対象者の自己理解を深める援助につながるのではないかという指摘がなされました。また、言葉にできない患者の思いは援助者自身を介して理解することも可能であることから、自己の感情や認識、価値観などの自己理解が、対象理解と援助に大きな影響を及ぼすのではないかと話されました。援助者自らの自己洞察や過去の体験の振り返り・意味づけは、対象者の自己理解の仕方にヒントを与えるのではないかとも話し合われました。一方で、対象者に望まない自己理解を促すことは悪影響となる可能性があるため、対象者の自己理解を促す際には治療的援助関係の構築が重要であることが話し合われました。さらに、「人間の傷つきやすさ」を学生時代に経験し、教員にケアされる体験は、「人間の傷つきやすさ」の意味やケアの重要性を体験的に理解する上で重要であることが共有されました。
